貯金箱に使われる動物といえばなんといっても豚である。どうして犬や猫ではなく、豚なのだろう。
豚は遠い昔から家畜として世界中で飼われていた。しかし、犬や猫ほどではない。犬や猫は一般家庭でも、マンションの一室でも飼われている。豚をペットとして飼育している人ももちろんいるが、犬猫と比べたらものの数ではない。
では日本での飼育頭数を見てみよう。
データはいずれも平成30年(西暦2018年)のものである。
犬 | 猫 |
890万3000頭 | 964万9000頭 |
日本の世帯数はおよそ5340万世帯なので、犬か猫のいずれかを飼育している世帯は結構多いことになる。
では豚の飼育頭数はどうだろう。
豚 |
931万3000頭 |
日本ではとんでもない数の豚が飼育されている。
犬の半分くらいの頭数かと思ったが、大間違いであった。猫に迫る勢いである。ただし、これらはほとんどが食肉用であり、ペットとしてはメジャーとはいえず、一般家庭に豚が浸透しているとは到底言えないだろう。
実際にamazonで検索をかけてみると、豚の貯金箱は数えきれないほど販売されているが、犬の貯金箱はごくわずか、猫の貯金箱もごくわずかな数しか販売されていないことが分かる。
そこまで浸透しているわけでもなく、犬猫と比べると人気の点で数段劣る豚がどうして貯金箱界(そんな世界はないかもしれないが。)では圧倒的人気なのか。
豚は子をたくさん産み、どんどん増えていくからだろうか。実際、そういう説もあるようだ。 しかし、いろいろ調べたところによると、粘土の種類に秘密がありそうだ。
昔(時期不明)、イギリスではピッグという種類のオレンジがかった粘土がよく使われていたという。その粘土で、発音が同じ豚(ピッグ)の貯金箱を作るのを思いついた職人がおり、売りだしたところ大人気になったそうである。
ピッグという粘土が豚の貯金箱が誕生するきっかけになったようだ。
似たような話ではあるが、ある金持ちがピッグ(粘土の方)の貯金箱を作るように依頼したところ、陶器職人が勘違いしてピッグ(豚)の貯金箱を作ったという説もあった。
こちらの説には私は懐疑的だ。陶器に関する知識は金持ちより陶器職人のほうが上だろう。にもかかわらず、金持ちが粘土の種類を指定、その粘土をしょっちゅう使っているはずの職人の方が勘違い。しかも、粘土のピッグを動物のピッグと勘違い。こんなことがあるだろうか。話を面白くするための脚色ではないだろうか。
amazonで検索してみると、とんでもない数の豚の貯金箱がヒットする。
記事に含まれる解説や定義等は学術的なものではありません。また、個人の感想と意見を多分に含みます。正確な内容を心がけていますが、万一、誤っている点があっても一切の責任を負いません。了承いただいたうえでご利用ください。