コロンブスは新世界から様々なものを持ち帰ったが、いんげん豆もその一つだ。コロンブスは2度目の航海でいんげん豆を持ち帰った。いんげん豆というとなかなか地味な食材で、新世界からやってきたもののような気がしなかったので、いんげん豆が新世界原産だと知って驚いた。日本に伝えたのは隠元という僧であり、そのためいんげん豆と呼ばれるようになった。
インゲンマメもコロンブスが新世界から持ち帰ったものである。
こちらも知らなかったことだが、いんげん豆は健康によい豆として広まったようだ。健康によいと言っても、「※個人の感想です。効果には個人差があります。」といったようなものではなく、「ソラマメ中毒にならない」ということである。
「仮に中毒になったとしても、いんげん豆なのだからいんげん豆中毒だし、ソラマメ中毒とは言わないのではないか。」というようなことでもない。
そら豆に含まれているビシンという物質の影響で、人によっては食中毒を起こすことがある。発熱や倦怠感がおこり、死に至ることもあるという危険な中毒症状である。これまで全く聞いたことがなかったのは、ソラマメ中毒が地中海沿岸地域の男性に固有の遺伝子に起因するものだからだ。また、日本ではそら豆がそれほど多食されていないことにもよる。
このように一部の人にとって危険なビシンがいんげん豆には含まれておらず、当然、ソラマメ中毒を引き起こさない。ただし、いんげん豆には加熱していない状態では毒性がある別の物質が含まれている。いんげん豆は十分に加熱して食べるようにしなければならない。
いんげん豆は餡の材料として使われることも多い。有名なひよ子まんじゅうはいんげん豆の餡を使用している。ちなみにひよ子は福岡県の飯塚発祥のお菓子。東京オリンピックの頃に東京に進出、その時に「東京銘菓」を謳ったために東京発祥のお菓子だと思っている人も多い。