アレクサンドリアの大灯台は史上最大の灯台である。そのうえ、世界で最初に作られた灯台だという話もある。さすがに本当に世界最初の灯台だとは信じがたいが、世界の七不思議にふさわしい巨大建造物である。
その高さはなんと134メートル。現在、世界で最も高い灯台はサウジアラビアのジッダ灯台であり、その高さは133メートルである。約2300年前に建てられた灯台が現在の灯台よりも巨大だなんてなんというロマンだろう。
アレクサンドリアの大灯台(想像図)
紀元前300年頃に建てられた灯台である。高さは134メートルあり、50キロメートル以上の距離からも光を見ることができたと言われている。
日本には3000以上の灯台があるという。ちなみに日本で石造りで最も高さのある灯台は出雲日御碕灯台(いずもひのみさきとうだい)で43メートルである。
石造りの灯台としては日本で最も高さのある灯台出雲日御碕灯台。43メートルの高さがある。
アレクサンドリアはその名のとおりアレキサンダー大王(アレクサンドロス3世)が建設した都市である。アレキサンダー大王の死後はエジプトをトレマイオスが支配し、プトレマイオス朝を開く。そのプトレマイオスが建造したのがアレクサンドリアのの大灯台である。その後、796年の地震で壊れ、その後2回起きた大地震で完全に崩壊したという。その後、灯台の残骸は要塞建設の材料として用いられ、灯台は跡形もなくなってしまった。
世界の七不思議の中で現存しているのはクフ王のピラミッドだけだが、その次に長い期間実際に存在しつづけたのがアレクサンドリアの大灯台である。イスラムの旅行家で有名なイブン・バットゥータは『三大陸周遊記』の中でアレクサンドリアの大灯台について触れている。イブン・バットゥータは灯台が崩壊し、その中に入ることもできなかったと記している。イブン・バットゥータは14世紀の人物である。その頃まで少なくとも遺跡は残っていたことになる。