誰でも聞いたことのあるような有名な会社のお家騒動の顛末と、お家騒動を起こさないための対策集のような本。
掲載されているお家騒動は驚きの18社分である。その中でも興味を持てたものは
大塚家具
ある程度落ち着いたとはいえ、まだまだ目が離せない。
一澤帆布
真っ向から対立する内容の遺言書2通。どう扱うべきか。
大王製紙
創業家の放蕩息子による地位低下とその顛末。
雪国まいたけ
わがままの顛末
佐川急便
解任直後に再任。
アップル
アップルを追い出されてしまったスティーブ・ジョブズ
フジテレビ
娘婿を養子にして後を継がせたところ、その娘婿が横暴な独裁を行いクーデター発生。まあ、クーデターを行った側もたいがいな人物のようなのでどっちがどっちなのかは私にはわからない。
三越
「なぜだ!」という名言。
グッチ
驚きの展開で創業者が追い出されてしまった。
など。
本書を読んだところ、創業者や中興の祖と呼ばれるような優秀な経営者が他界した後にお家騒動が発生することが非常に多いようだ。また、フジテレビの例のように、単に権力者の身内にすぎないというような人物を他業界から連れてきて高い地位に置いてしまう経営者は多い。やってきた人物は門外漢であるにも関わらず「会社を変える」、「新しい風を吹き込む」などとうそぶいて社内をかき回すような行動を取りがちだ。そもそもそんな人物は高い地位についている正統性が低いので、高い確率でクーデターが起き、創業家を巻き込みつつ会社もろとも没落することが多いようだ。現経営者の方は注意したほうが良いのかもしれないと感じた。
おすすめ度★★★★☆
2020年9月28日読了