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本書を読んで「トゥーランドット」の謎が解けた!吉松隆『クラシック音楽は「ミステリー」である 』(講談社+α新書)

私はクラシック音楽を聴くには聴くが、音楽の授業では小学1年の「かえるのうた」以上には進めず、完全に音楽の才能から見放されている。もちろん音楽に関する知識はまったくない。そんな知識がない状態でも音楽は音楽としてある程度は楽しむことができる。しかし、本書によると、音楽に仕掛けられた色々な仕掛けを知ったら全く別の世界が見えてきて、音楽を聴くのがさらに楽しくなるという。

クラシック音楽は「ミステリー」である (講談社+α新書)

クラシック音楽は「ミステリー」である (講談社+α新書)


 クラシック音楽にはさまざまな謎がある。 音は文字に置き換えることができ、それを利用してフリーメイソンを意味すると考えられる単語を入れたり、何らかのメッセージを込めたりしている曲もあるという。また、交響曲を9つ書くと死ぬというジンクスもある。本書で、そのジンクスを破り10の交響曲を書いたソ連の作曲家ショスタコーヴィチの政治に翻弄される人生と音楽についての謎解きが行われている。これは興味深く読むことができた。ソ連時代ほどではないとはいえ、天才が生きるのが大変というのは現代のロシアにも通じる気がした。

 アラジンと魔法のランプの舞台は中国なのに、出てくる登場人物の名前がぜんぜん中国風でない。同様に、イタリアの巨匠プッチーニのオペラ「トゥーランドット」は中国の北京が舞台なのに姫の名前からしてトゥーランドット。出てくる登場人物の名前が全く中国風ではない。これにも著者による謎の解明が行われており非常に面白かった。さらに、 このオペラに使われている「誰も寝てはならぬ」という曲。どうして「誰も寝ても誰も寝てはならないのかいう理由も本書によって理解できた。
 私のように音楽に無縁の人間にも本書は楽しく読めた。これで少しはクラシック音楽を聞くときに見える世界が広がったかもしれない。

 

2022年2月20日現在、本書はAmazon Kindle Unlimitedの読み放題に含まれています。

プッチーニ: 歌劇(トゥーランドット)[DVD]

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