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小松政夫『昭和と師弟愛 植木等と歩いた43年』(KADOKAWA)

時代が違いすぎてこの両名の芸は見たことがない。YouTubeでいくつか動画が上がっていたので少し見てみたけれど、私にはどこが面白いのか分からなかった。特に小松政夫は顔も悪人ぽくて親しみを感じるのも難しい。
しかし、本書を読んでその印象が大きく変わった。

 

昭和と師弟愛 植木等と歩いた43年

昭和と師弟愛 植木等と歩いた43年


 本書によると師である植木等は運転手兼付き人を努めていた小松政夫に父親のごとく大変温かく接していたという。
 二人で食堂に入った。弟子の小松はいつも遠慮してかけそば、かけうどん、ラーメンのような安いものしか頼まない。そこで植木はわざと高価な天丼とカツ丼を注文し、「医者から脂っこいものは止められていたんだった」と言って小松に食べさせる。
 また、植木は芸人をめざす小松を「こいつの話は面白い」「必ず大スターになる」などといつも売り込んでいた。あるとき小松の独立のため事務所と話をつけてやった。この話を聞いたとき小松は植木への感謝の念から涙が止まらなかったという。

本書は全編を通じて植木等への感謝の気持ちで貫かれている。こういう本を出すくらいだから小松の義理堅さも相当なものだ。両名を知らない方も一度お読みになることをおすすめしたい。