メジャーリーグの大谷翔平選手が所属するエンゼルスでは、ホームランを打った選手に兜をかぶせる独自のパフォーマンスを行っている。2023年4月8日(日本時間)の試合で初めてマイク・トラウト選手が兜をかぶり、10日には大谷選手がブルージェイズ戦で3号2ランを放ち兜をかぶった。4月19日にはヤンキース戦で4号2ランホームランを打ち、大谷選手が2度目の兜をかぶった。この兜はどこで見られるのか、どこで作っているのか、どこで買えるのか気になる方も多いようだ。
実はこの兜は鹿児島県薩摩川内市の「甲冑工房丸武」が製作しているもの。有名武将が使ったものの複製等ではなく、甲冑工房丸武のオリジナル品、紺糸威仏ニ枚胴(兜)(こんいとおどしほとけにまいどう(かぶと))。なんと、製造元の甲冑工房丸武には同じ兜が展示されている。入場無料。
さっそく見に行った。
大きな看板が目を引く。
馬の像が出迎えてくれた。
かなり立派な門構えの施設。
よく手を入れられた庭園。これだけでも見る価値があるかも。
甲冑製造工房だけあってここには有名武将の甲冑の複製品など約40領。かなり多くの甲冑が展示されている。写真に写っているのはごく一部。
各映画やドラマなどで使われたものと同じ甲冑が展示されている。ポスターも掲示されているので各作品のファンの方も楽しめると思う。
大谷翔平選手がかぶったものと同じ兜は展示館施設の北側入り口付近に飾られている。
専用の展示場所が確保されていてかなり目立つ。
朝早く見に行ったのに多くの人が来場していてなかなか写真を撮れなかった。一瞬のすきを見てなんとか撮れた写真。
大きな吹き返しがついている。これは矢から顔を守るためのもの。
獅子の飾りがかわいい。
裏側。縫い目をみるとだいぶ丁寧に作られていることがわかる。
会場には大谷選手にあやかろうとしているのか、野球帽姿の子どもを多く見かけた。
甲冑工房丸武は1958年に田ノ上社長の祖父が釣り竿メーカーとして創業。グラスファイバーの登場などで釣り竿製造業が不況となる中、1973年に甲冑の製造へと転業。同社の甲冑は数々の映画やドラマの撮影に利用されており、市場占有率は8割以上に達しているという。
同社が甲冑の製造などに携わった映画・ドラマ等は以下のとおり。(一部、同社ウェブサイトhttp://yoroi.co.jp/company/による)
1987年 「伊達政宗」
1988年 「武田信玄」
1991年 「足利尊氏」
1992年 「信長」
1993年 「藤原3代」
1995年 「徳川吉宗」、「新平家物語」
1996年 「豊臣秀吉」
1997年 「毛利元就」
1999年 「大石蔵之介」
2000年 「徳川家康・秀忠」
2001年 「前田利家」
2003年 「織田信長・豊臣秀吉・明智光秀」
2016年 『真田丸』
2016年 ドラゴンクエストミュージアム ロト鎧製作
テレビや映画で見る甲冑のほとんどは甲冑工房丸武さんが製造しているようだ。他にも同社は明治神宮や大阪城、名古屋城をはじめ、全国の多くの歴史的な施設にも甲冑を提供している。
エンゼルスの選手が兜をかぶるシーンが放映されてから同社には問い合わせが相次いでおり、注文も多くなってきているそうだ。この兜に使われている手彫りの獅子も作成に時間がかかるので納品は来年くらいになる様子。野球少年へのプレゼントなどで欲しい方は早めに注文したほうが良いかもしれない。
なお、この兜は同工房が所在する薩摩川内市のふるさと納税返礼品にもなっている。薩摩川内市へのふるさと納税額100万円で手に入るらしいが、すでに何件も申し込みがあったとのこと。大谷選手効果恐るべし。
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甲冑工房丸武(丸武産業株式会社)本社
〒899-1923 鹿児島県薩摩川内市湯島町3535-7
電話:0996-26-3113
支店
〒101-0021 東京都千代田区外神田2丁目1-15
電話:03-5256-4618