2年ぶりくらいの小僧寿しさん。贅沢一番フェアというフェアをやっていたので「贅沢うなぎまぐろ一番」と「贅沢うなぎえび一番」を注文。
見てみると小僧寿しさんの寿司は、それぞれ伝統的な握り寿司と新しい握り寿司がバランスよく配置されているという感じ。
まずは「贅沢うなぎまぐろ一番」
赤身のマグロ:新鮮でしっとりとした食感が特徴。4つも入っているので十分な食べごたえがある。
イカ:柔らいがちゃんと歯ごたえがある。
サーモン:思いのほか脂の乗っている。人気があるのも当然。
玉子焼き:甘くてふんわりとした食感。しっかりとした味付け。
うなぎ:さほど大きくはないがやわらかく、タレの香ばしさもよい。
ネギトロ軍艦:美味しく食べられる。
海鮮サラダ軍艦:クリーミーな食感。
エビ:思ったより大きい。ぷりぷりとした食感もよい。
こちらは「贅沢うなぎえび一番」
ネタ自体は「贅沢うなぎまぐろ一番」と同じ。エビが4つも入っている。こんなにエビを食べられるなんてエビ好きには最高だ。
「贅沢うなぎまぐろ一番」と「贅沢うなぎえび一番」のいずれも玉子焼きやサラダ軍艦などの甘みのあるネタがアクセントとなり、全体的なバランスが取れている。これによって食べやすさと美味しさが両立しており、幅広い年齢層に受け入れられると思う。
2年前にも書いたように「小僧寿し」という会社名は小説の神様と言われた志賀直哉の小説『小僧の神様』に由来する。その『小僧の神様』のあらすじは以下のとおり。
『小僧の神様』は神田の秤屋に奉公する小僧の仙吉が、お金持ちの若い貴族院議員Aに寿司をおごってもらうという物語。仙吉は奉公先で番頭たちが寿司の話し、とりわけまぐろの脂身の話しをするのを聞いて美味しい寿司屋を食べたくなる。お使いの帰りに電車賃を浮かして作ったお金を持って番頭たちが話していた寿司屋に入るものの、お金が足りずに寿司を食べられない。恥ずかしい思いをして店を出て行くところをAに見られてしまう。その後、仙吉を見かけたAが仙吉を寿司屋に連れて行き、先の出来事について何も言わずに寿司をおごって帰る。仙吉はこの出来事から、Aを「神様」と感じるようになる。
『小僧の神様』ではまぐろの寿司がかなり美味しそうに表現されている。私は小僧の神様を読むと強烈に寿司を食べたくなる。私に限らずこの話を読んでまぐろを食べたくなった人は一人や二人じゃないはずだ。エビフライを世界一美味しそうに書く達人が『盆土産』の三浦哲郎だとすれば、まぐろを宇宙一美味しそうに書く天才は志賀直哉である。
なお、以下のように小僧寿しさんのウェブサイトにも会社名が『小僧の神様』に由来することは明記されている。
我々の社名の由来は、小説家「志賀直哉」が1919年に発表された短編小説『小僧の神様』から。
次のような記述もある。
当時高価だったお寿司を、より身近なものとしてお客様に食べて頂きたいという思いから。
「小僧寿し」はすごく志が高い会社名だった。そういうことなら『小僧の神様』をモチーフにした商品を販売してくれたらもっと買いに行くことになると思う。