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パレスチナ問題の種をまいたイギリスの中東政策

中東の現代史は、しばしば複雑な外交政策の結果として理解されている。特に、第一次世界大戦中のイギリスの行動は、この地域の長期にわたる緊張の一因と見なされている。この時期、イギリスはフサイン・マクマホン協定、サイクス・ピコ協定、バルフォア宣言という、互いに矛盾する約束を複数の当事者に対して行った。

フサイン・マクマホン協定は、1915年から1916年にかけて、イギリスの高官ヘンリー・マクマホンとメッカのシャリーフ、フサイン・ビン・アリ間で行われた一連の書簡交換によって成立した。イギリスはアラブ人に対し、オスマン帝国に対する反乱を支援する代わりに、戦後の独立とアラブ国家の設立を約束した。しかし、この約束の範囲と具体的な国境については、あいまいさが残されていた。

 

ほぼ同時期に、1916年にはフランスとイギリスは秘密裏にサイクス・ピコ協定を結んだ。この協定では、オスマン帝国の崩壊後の中東地域を事実上分割し、それぞれの勢力圏を定めた。フランスは現在のシリアとレバノンを、イギリスは現在のイラクとヨルダン、そしてパレスチナの一部を支配することとなった。この協定はアラブ人への約束と直接的に矛盾していたが、この時点では公にはされていなかった。

さらに複雑さを増す第三の外交行動は、1917年のバルフォア宣言である。イギリスの外相アーサー・バルフォアは、ユダヤ人コミュニティの代表者であるロスチャイルド卿への公開書簡で、パレスチナにおける「ユダヤ人の民族郷土の確立」を支持すると述べた。これはユダヤ人にとっては希望の光であったが、アラブ人との約束に反するものであり、後のパレスチナ問題の一因となる。

これらの矛盾する外交行動は、イギリスがその時々の戦略的利益に応じて、異なるグループに対して異なる約束をした結果である。イギリスはアラブの反乱を利用してオスマン帝国を弱体化させ、フランスとの協力関係を維持し、同時にユダヤ人の支持を得ることを望んだ。しかし、これらの約束が明らかになるにつれ、イギリスは信頼を失い、中東の諸勢力の間で不信と対立を生んだ。

第一次世界大戦後、サイクス・ピコ協定に基づく国境の引き方は、民族や宗教の境界線を無視したものであり、後の地域紛争の

種をまくことになった。フランスとイギリスによる委任統治領の設定は、本来多様な民族と宗教が混在する地域の複雑な歴史を無視したものであり、地元民の自治権や自決権に関する考慮が不足していた。結果として、これらの地域では後に権力の真空状態が生じ、内部紛争や外国の介入の温床となった。

バルフォア宣言によって期待を寄せたユダヤ人コミュニティは、移民と定住を加速させたが、これがアラブ人住民との間の緊張を高め、後の数十年にわたるイスラエルとパレスチナの衝突の起点となった。イギリスは、アラブ人とユダヤ人の双方に対して、相容れない約束をしたことで、互いに対立する二つの民族主義運動を支持してしまった。

これらの外交行動は、イギリスの短期的な戦略的目標には一時的に合致していたかもしれないが、長期的な地域の安定と発展には逆行するものだった。アラブ人の国家主義と自決を阻害し、ユダヤ人とアラブ人の間の永続的な緊張を生み出し、さらには西洋の列強による支配と介入の様式を確立した。これは中東地域の複数の国々における民族間の争いと分裂につながり、20世紀から21世紀にかけての紛争の一因となった。

中東の現代史を考える上で、これらの協定と宣言は、地域の政治的な境界を決定づけ、各民族の運命を形作る上で重要な要素であった。それらは、異なる民族、文化、宗教が交錯する中東という地域において、外部から強いられた人工的な秩序の例として、今日でもその影響を色濃く残している。この複雑な歴史的経緯を理解することは、中東における持続的な平和と安定を追求する上で欠かせない要素であり、現代の政治家や政策立案者が直面する最大の課題の一つと言えるだろう。

 

イギリスの中東政策に関連する主要な出来事

1915年: フサイン・マクマホン協定の書簡交換が開始される。
1916年: サイクス・ピコ協定が秘密裏に合意される。
1917年: バルフォア宣言が発表される。
1918年: 第一次世界大戦が終結し、オスマン帝国の解体が開始される。
1920年: サンレモ会議で委任統治領が設定される。
1922年: パレスチナにおけるユダヤ人移民と定住が加速する。
1947年: 国際連合がパレスチナ分割案を提案する。
1948年: イスラエル国家が宣言され、アラブ・イスラエル戦争が勃発する。

 

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