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アルハンブラ物語に登場するモーロ人とは何か

モーロ人とは、8世紀から15世紀にかけて、主にイベリア半島(現在のスペインとポルトガル)に居住していたムスリムの人々のことを指す。彼らは主に北アフリカのベルベル人とアラブ人の子孫で、イスラム教徒としてのアイデンティティを持っていた。

 

711年、モーロ人はイベリア半島に侵入し、その後約800年間にわたりこの地域の大部分を支配した。彼らの支配下では、イスラム文化が花開き、建築、科学、数学、哲学など多くの分野で顕著な発展を遂げた。この時代は「アンダルス時代」として知られ、ヨーロッパ中世史において重要な時期である。

 

モーロ人の支配は、1492年のグラナダ王国の陥落と共に終わりを迎えた。これにより、カトリックの王女イサベラと王フェルナンドによるレコンキスタ(再征服)が完了し、イベリア半島はキリスト教徒の支配下に入った。その後、モーロ人は迫害され、多くが北アフリカへ追放されたり、キリスト教に改宗を強いられたりした。

 

「アルハンブラ物語」において、モーロ人は重要な役割を果たす。物語に登場するモーロ人は、当時のイスラム文化や伝承を代表しており、彼らの歴史や文化は作品の重要なテーマの一つとなっている。ワシントン・アービングは、モーロ人の伝説や歴史を詳細に描写し、彼らの文化や遺産に敬意を表している。