私立文系大学卒会社員の米国株で徐々に逆転日記

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NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を10倍楽しむための読書1 菊池寛『源平盛衰記物語』 (温古堂文庫)

NHK大河ドラマ鎌倉殿の13人をさらに楽しむため、平安時代末期から鎌倉時代初期について読みたいと思った。

源平盛衰記物語 小学生全集 (温古堂文庫)

源平盛衰記物語 小学生全集 (温古堂文庫)

「源平盛衰記」はその名のとおり平家の興亡から壇ノ浦の後あたりまでを描いた物語である。平家物語にも登場するエピソードが多数含まれており、目にしたことがある話ばかりで読みやすい。 この源平盛衰記を子供向けの物語にまとめたものがこの『源平盛衰記物語』である。大正から昭和初期に活躍した小説家菊池寛による現代語訳で、非常に読みやすいのに格調高い素晴らしい文に訳されている。

 

 俊寛僧都が鬼界ヶ島に流された話は 改めて読んでも非常に気の毒だ。なんといっても同じ島にいた三人のうち二人が罪を許されて都に帰ることになったのにも関わらず、なぜか俊寛一人だけ罪を許されず鬼界ヶ島に残ることになったからだ。さらに涙を誘うのは俊寛の家来の有王が命がけで鬼界ヶ島までやってきたことである。俊寛の家来が鬼界ヶ島に訪ねてきたことは知らなかった。有王のおかげで読者としても少し気持ちが軽くなった。それでも俊寛僧都が気の毒なことには変わりないが。ちなみに鬼界ヶ島は薩摩から遠く離れた島であるが、今の喜界島のことなのかは現在でも明らかになっていない。

 

島には絶えず山から硫黄の火が燃え上がり、雷のようなドロドロという爆音が引き続き、三人とも地獄にいるような心持ちで、今、黄色いその火に焼かれるか、今落ちて来る雷に打たれるかと、怯おびえ怯えて日を過ごしました。

このように物語中では硫黄について描かれている。ところが実際の喜界島には硫黄は産出しない。鹿児島県には硫黄島という硫黄が豊富な島があり、こちらのほうが物語中の鬼界ヶ島なのではないかとも言われている。

 平家物語でもお馴染みのように、物語の後半は源氏が平家を圧倒していく話がこれでもかと言うほど続く。元々坂東(関東)に強い地盤を持つ源氏は坂東武者と言う最強の武者が大多数を占めており、この頃の関東は田舎であったので野山で鍛えられた屈強な者ばかりだ。強いのも当然だ。平維盛に源氏の武者について尋ねられた斎藤別当実盛の説明によると、

関東には弓は三人張り五人張り、矢は長さ四尺五尺を使う者、大名一人の内に二十人三十人もおりまする。かような者は、一矢にて武者二三人は射落とします。馬とても、関東ものは、鹿狩り狐狩りに山や林を家のように乗り回しておりますれば、乗ることは知れど、落ちることを知らないというほどにて、殊にその馬の強さは、京から来た平家の馬など、一度関東馬にぶっつかれば、倒れて二度とは立ち上がれますまいと存じまする。

 

「平家の馬など、一度関東馬にぶっつかれば、倒れて二度とは立ち上がれますまい」

坂東って武者だけではなく馬もこんなに丈夫だという。これでは平家に勝ち目があるはずもない。

2022年2月20日現在、本書はAmazon Kindle Unlimitedの読み放題に含まれています。

 

 

鎌倉殿の13人 前編 NHK大河ドラマ・ガイド

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