【注意】
自分でエコキュートを修理した場合、火傷や感電・火災などの事故をまねく恐れもあります。メーカーの保証も効かなくなる可能性が高いです。あくまでも自己責任でお願いします。事故が発生した場合や修理がうまく行かなかった場合でも当方は責任を負いません。修理が必要な場合はメーカーや電気店や専門業者への相談・依頼をおすすめします。ご了承いただける方のみ、以下をご覧ください。
先日、自力で修理したにも関わらず、メーカーに依頼した修理後、水漏れが発生し再度故障が発生してしまった2006年製造のナショナル製エコキュートHE-37K3S(電気給湯器)。
これが水漏れ直後。この時点では確認できる赤丸で囲んだ部品(フィルムコンデンサ)が、
その後、足が錆びて脱落。
ほんの少し触っただけでこのように完全に取れてしまった。
ここまで錆びて強度が落ちてしまっていると、この足に銅線などを結びつけて復活させるのは困難。そこでAmazonでこの部品を探した。だが、残念なことにこの部品を見つけることはできなかった。しかし、ほぼ同等の部品を発見!もちろん即発注。こういう部品を店に出かけなくても探して注文できるなんてすばらしい時代だと思った。
ECQE(F)シリーズ 630VDC Panasonic フィルムコンデンサ (0.01μF(103J)8個入り)
まともなはんだごてを持っていなかったので15Wのはんだごても注文。
白光(HAKKO) DASH セラミックヒーターはんだこて 15W B型こて先付き FX650-81
はんだの付きを良くするためのフラックスと糸はんだがセットになっていたのでこちらも注文。
goot(グット) 電気用フラックス・はんだ セット BS-5A
さらに、部品や基板に付着した不要なはんだを吸い取るためのはんだ吸取線も注文する。
goot(グット) はんだ吸取線 幅1.5mm 長1.5m CP-1515 日本製
届いた部品をはんだで固定。
超下手ながらもなんとか部品を取り付けることができた。
これでエコキュートが使えるようになるのではと期待。基板を本体にセットしスイッチを入れる。しかし、エコキュートは動作せず、リモコンも点灯しない。基板を再確認。ダメージを受けていそうな部品を探す。
すると、基板の右端の放電管が外れかけていることを発見。
左側の足が途中から折れてしまっている。
すぐに買える部品ではないので銅線を使って応急処置。部品が届いたら新しいものと交換する予定。
今度こそ大丈夫と思って電源を入れる。しかし今度もだめ。やっぱりリモコンも点灯せず。
さらに基板をチェックすると、何らかの部品がついていたであろう場所が。今度は部品が完全に外れているのでどの部品がついていたのかわからない。
そこで以前の写真をひっぱり出した。比べてみると、右上の白いものと同じような部品が付いている。
基板に書かれている数値はどちらも(3.3)。これは同じ部品なのではと思った。そうだとするとこれはセメント抵抗。5W 3.3Ωのセメント抵抗を取り付ければ良さそう。
今回も全く同じ部品は発見できなかったので、抵抗値などが同じセメント抵抗をAmazonで発注。10個セットで数百円。安い。
オーディオファン セメント抵抗 5W 3.3Ω 許容±5% 10個セット
抵抗値などが同じとはいえ、形やサイズが違うので足を曲げてうまい具合に基盤に取り付ける必要がある。
かなり苦戦して取り付け完了。
この部品を取り付けたあとはなぜかすがすがしい気分になった。しかし、エコキュートは動作せず、例によってリモコンも動作しない。
いい加減疲れてきた。それでもまだがんばる。今度注目したのはこちら。
外してみるとこういう部品。MIP417MD。電源用に使用するIPD(Intelligent Power Device)半導体スイッチとかいうもの。電源のオンオフなどに使うらしい。どう見てもダメな感じ。
足が根本から折れているので何度か試みたもののさすがに修復不可能。Amazonでは発見できなかったのでこのサイトから購入。
かなり苦戦しながらもはんだごてを使って取り付け完了。
しかし残念なことに今度もダメ。エコキュートは動作しない。リモコンも点灯せず。私は今回のエコキュートの修理にもうすでにかなり労力をかけている。ここまで来たらもはや後に引けない。やるしかない。
次に疑ったのはこいつ。トランスである。変圧に使う部品。外観上は異常はないように見えるが、この中にはコイルが入っている。というよりコイルそのもの。なので水濡れには弱いはず。
はんだごてでハンダを溶かしながらトランスを外した。水を浴びたせいで足がひどく錆びているし、折れているものもある。これはどう見てもダメだろう。
パナソニックのサービスマンが持ってきてくれた他機種の基板から移植した。全く同じトランスが使われていてよかった。
ついでにコンデンサをチェックしたら少し錆が出ている。行きがけの駄賃で取り外す。
取り外して裏から見ると水によるダメージあり。これも他機種の基板に同じものが搭載されていたので移植。
これだけ多くの部品を交換すればもう大丈夫なのではと思い、基板を本体にセットしてスイッチを入れる。写真を取り忘れたが、なんとリモコンが点灯した。エラーコードH37が表示されるもののこれは脈がありそう。エラーコードH37はふろ給湯サーミスタに異常があるらしい。
該当しそうな部分をチェックしてみると、
なんどもコネクタを抜き差ししたからだろう。風呂給湯サーミスタのコネクタがプリント基板から外れかけている。はんだを使ってなんとか再接着。これでどうだ。
すべてのエラーが消えた!!
これで湯を沸かせるようになった。ところが風呂に自動湯はりをしようとするとエラー「U22」の表示が出てお湯はりができない。 断水検知の表示。配管が凍結しているときに表示されることもあるらしいが、今の時期に凍結なんてことはない。断水を検知するセンサーに異常があるのかも。もしかするとふろ混合弁のあたりに断水検出用のセンサーがあるのかもしれない。その場合、ふろ混合弁を再交換する必要があるのかも。
しかし、キッチン、浴室、洗面台のいずれも蛇口からはちゃんと湯が出てシャワーも使える。もちろん、蛇口から浴槽に湯をはることができる。これでやっと家で風呂に入れるようになった。かなり苦労したけれど、現時点では修理は成功と言えるだろう。一度外れた弁や配管の強度が落ちて再度水もれを起こす可能性あるのでとりあえず様子を見てみよう。
さきほど、久しぶりに自宅で風呂に入った。温泉も良いが自宅で風呂に入れるということがほんとうにありがたいことだと身にしみた。
今回の修理では、多くのサイズのネジに一本で対応できるこちらのネジピタが大活躍だった。ネジピタなしでは、作業が面倒すぎて途中で修理を投げ出していたことだろう。
アネックス(ANEX) ラチェットドライバー 差替式 ネジピタ No.290
【注意】
自分でエコキュートを修理した場合、火傷や感電・火災などの事故をまねく恐れもあります。メーカーの保証も効かなくなる可能性が高いです。あくまでも自己責任でお願いします。事故が発生した場合や修理がうまく行かなかった場合でも当方は責任を負いません。メーカーや電気店や専門業者への相談・依頼をおすすめします。