塩野七生氏による名作『ロードス島攻防記』は、16世紀に起こったロードス島の戦いを緻密に描いた歴史文学。この戦いは、オスマン帝国とキリスト教国家との間で繰り広げられた、戦略と信仰が交錯する壮絶な物語である。本書は、事実に基づいた正確な歴史をもとに、登場人物たちの生き様や心情を繊細に描き出している。
『ロードス島攻防記』は、16世紀の地中海を舞台に、オスマン帝国とロードス島を守る聖ヨハネ騎士団の戦いを描いている。この戦いは、東西文明の激突や、キリスト教とイスラム教の対立が背景にあり、世界史において重要な意義を持っている。
本書では、戦争の実態や戦略の詳細、そして登場人物たちの心情や信仰が丹念に描かれており、読者に当時の情勢や人々の思いをリアルに伝えている。また、塩野氏独自の視点や筆致によって、歴史上の人物たちが息づいているかのように感じられる。
コンスタンティノープルを征服したメフメト2世のひ孫スレイマン1世の時代、オスマン帝国はますます強大になった。そのオスマン帝国にとって喉元のトゲのような存在がロードス島に拠点を置く聖ヨハネ騎士団(ロードス騎士団)であった。
聖ヨハネ騎士団はヨーロッパのキリスト教勢力の最前線として、オスマン帝国に対して海賊行為を続ける。
軍事的成功を続け、オスマン帝国に最盛期をもたらした壮麗王スレイマン1世は、1522年ついに20万人の大軍でロードス島を攻撃する。メフメト2世によるコンスタンティノープルの攻略からおよそ70年後の出来事であった。
聖ヨハネ騎士団はコンスタンティノープルの城壁よりも強固で大砲の攻撃にも簡単には破壊されない城壁を作った。城壁内に立てこもる聖ヨハネ騎士団にはロードス島の住民も協力して防衛に当たる。
Anonymous after Titian / Public domain
オスマン帝国のスレイマン1世は1522年にロードス島を攻撃した。
おすすめ度★★★★★
2000年頃読了
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