西暦330年にローマ皇帝コンスタンティヌス1世はギリシア人の植民都市ビザンティウムの地に都市を建設する。この都市は「コンスタンティヌスの町」という意味でコンスタンティノポリスと呼ばれる。395年にローマ帝国が西ローマ帝国と東ローマ帝国に分裂するが、この後、東ローマ帝国の首都としてコンスタンティノープルは繁栄する。
コンスタンティノープルは1204年の第4回十字軍に占領されたのみでそれ以外は占領されたこともなかった。1000年以上も栄え続けたコンスタンティノープルの占領と東ローマ帝国の征服を目指したのはオスマン帝国のメフメト2世。そしてこの時の東ローマ皇帝は奇しくもコンスタンティヌスの名を持つコンスタンティヌス11世であった。
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コンスタンティヌス11世
東ローマ帝国(ビザンツ帝国)最後の皇帝である
(ジェンティーレ・ベリーニ / Public domain)
オスマン・トルコ帝国のメフメト2世
難攻不落と言われたコンスタンティノープルの征服を目指した皇帝である
攻勢をかけるオスマン帝国と風前の灯のような小国となってしまった東ローマ帝国。両国のコンスタンティノープルをめぐる攻防が活き活きと描かれている。
塩野七生の地中海三部作の1作目。世界史を学び始めたばかりの高校生にも一般の方にもぜひお読みいただきたい本である。
コンスタンティヌス11世はコンスタンティノープルの陥落を指をくわえて見ていたわけではない。西欧諸国への援軍の要請も行い、城壁の強化など多くの対策も行った。大軍を相手に善戦した。同時代において間違いなく英雄であった。しかし、メフメト2世の突拍子もないアイデアは1000年の都をとうとう陥落させることとなった。
おすすめ度 ★★★★★
読了時期:2000年台前半頃
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読了時期:2000年台前半頃
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