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読書水先案内 塩野七生『コンスタンティノープルの陥落』

歴史文学の巨匠、塩野七生氏による代表作の一つである『コンスタンティノープルの陥落』は、東ローマ帝国最後の都市コンスタンティノープルがオスマン帝国によって陥落する様子を描いた壮大な物語。本作は、歴史の節目となる出来事を緻密な調査と研究に基づいて描き出しており、読者に歴史の舞台を体感させる。

『コンスタンティノープルの陥落』は、1453年に発生したコンスタンティノープルの陥落を題材にしている。東ローマ帝国の首都であったコンスタンティノープルは、オスマン帝国のスルタン・メフメト2世によって包囲され、最終的に陥落する。この出来事は中世から近世への移行期にあたり、世界史において重要な影響を与えた。

本書では、コンスタンティノープルの陥落に至るまでの経緯や背景が丹念に描かれており、当時の社会や文化、政治的状況が読者に分かりやすく伝わるように構成されている。また、登場人物たちの生き様や思惑がリアルに描かれており、歴史上の人物にも深みを感じさせる。

塩野七生氏の独自の視点で歴史を読み解く力が発揮された本作は、歴史に興味がある読者だけでなく、物語を楽しみたい一般の読者にもおすすめである。『コンスタンティノープルの陥落』を読むことで、歴史の奥深さや人間の営みをより深く理解することができるだろう。この作品は、私にとって歴史文学の中でも特に印象深いものである。

 

西暦330年にローマ皇帝コンスタンティヌス1世はギリシア人の植民都市ビザンティウムの地に都市を建設する。この都市は「コンスタンティヌスの町」という意味でコンスタンティノポリスと呼ばれる。395年にローマ帝国が西ローマ帝国と東ローマ帝国に分裂するが、この後、東ローマ帝国の首都としてコンスタンティノープルは繁栄する。

 

 

コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)

 

 

 

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 コンスタンティノープルは1204年の第4回十字軍に占領されたのみでそれ以外は占領されたこともなかった。1000年以上も栄え続けたコンスタンティノープルの占領と東ローマ帝国の征服を目指したのはオスマン帝国のメフメト2世。そしてこの時の東ローマ皇帝は奇しくもコンスタンティヌスの名を持つコンスタンティヌス11世であった。

 

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http://en.wikipedia.org/wiki/User:Astavrou / Public domain)

コンスタンティヌス11世

東ローマ帝国(ビザンツ帝国)最後の皇帝である

 

 

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(ジェンティーレ・ベリーニ / Public domain)

オスマン・トルコ帝国のメフメト2世

難攻不落と言われたコンスタンティノープルの征服を目指した皇帝である

 

攻勢をかけるオスマン帝国と風前の灯のような小国となってしまった東ローマ帝国。両国のコンスタンティノープルをめぐる攻防が活き活きと描かれている。
塩野七生の地中海三部作の1作目。世界史を学び始めたばかりの高校生にも一般の方にもぜひお読みいただきたい本である。

 

 

コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)

コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)

 

 コンスタンティヌス11世はコンスタンティノープルの陥落を指をくわえて見ていたわけではない。西欧諸国への援軍の要請も行い、城壁の強化など多くの対策も行った。大軍を相手に善戦した。同時代において間違いなく英雄であった。しかし、メフメト2世の突拍子もないアイデアは1000年の都をとうとう陥落させることとなった。

おすすめ度 ★★★★★

読了時期:2000年台前半頃

 

 

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 おすすめ度 ★★★★★

読了時期:2000年台前半頃

 

 

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おすすめ度 ★★★★★

読了時期:2000年台前半頃