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イ・ミンギュ『「後回し」にしない技術 「すぐやる人」になる20の方法』(文響社)

やらなければならないことがあるのになかなか手をつけられない、試験が迫っているのに部屋や机の片付けを始めてしまう、などという人は多いだろう。私などその典型である。 以前、試験勉強と言えばいつも一夜漬けであったということを書いたが、まさにその通り。ギリギリまで手をつけられないというのが私のかなり悪い癖である。すぐに行動できる人はなんと意志が強い人間なのだろうと思っていた。

「後回し」にしない技術 「すぐやる人」になる20の方法

「後回し」にしない技術 「すぐやる人」になる20の方法

 

ところが本書によると実行力とは生まれつきの資質ではなく、学んで練習さえすれば誰でも開発ができる技術であるという。これは今までハウツー本などであまり指摘されてこなかった点ではないか。また、本書によると自己暗示はあまり効果がない方法だという。

「切実に願い、生き生きとイメージしさえすれば、夢がかなう」といったプラスの自己暗示は、実際には思ったより効果がなく、目標を達成するうえでかえって邪魔になることもある。
心理学者のリエン・ファム(Lien Pham)は、ある大学生のグループに中間テストで高い点数を取った場面を「毎日生き生きとイメージしてごらん」と言って、そうでない大学生のグループと実際の中間テストの点数を比べてみた。研究の結果は予想を裏切るものだった。高い点数を取ったのは、イメージしなかった学生たちだったのだ。イメージした学生たちはかえって勉強時間も少なく、成績も低かった。
実際、切実に願えば必ずかなうとか、生き生きとイメージすれば何でも実現するということを法則のように信じる人たちの中には、大失敗をした人が意外に多い。


さらに、目標を達成するにはやるべきことを一つ一つの非常に小さな部分に分解し、その一つにとにかく手を付けることが必要だという。そうすれば成功に近づくという。

精神医学者のエミール・クレペリン(Emil Kraepelin)はこうした精神現象を「作業興奮(Work Excitement)」と呼んだ。この理論によれば、人間の脳は体がいったん動き始めると止まるにもエネルギーを消耗するため、していることを続けるのがより合理的だと判断するのだという。だから、やりたくないことでもいったん進み始めれば、脳が刺激を受け、たちまちそのことに集中するようになるのだ。したがって、「始めたら半分だ」ということわざは心理学的に実に正しい言葉だといえる。

「すぐやる人」になりたい方はまずは本書を1ページだけでも読んでみてはいかがだろうか。