顧客の自動車を故意に壊したり、傷を大きくしたりして高額の修理料金を保険会社に請求するという行為を行っていた中古車買い取り販売大手、ビッグモーター。同社は山口県岩国市で1976年に創業。(当時の店舗名は兼重オートセンター。法人化は1978年)このビッグモーターの一連の不祥事はWikipediaにも以下が掲載されている。
※ 写真はイメージです。本文とは関係ありません。
・社員への「罰金」問題
・社員による買取代金の詐取
・不正車検の実施および運輸局による処分
・損保各社への不正請求・故意による顧客車両の破損・社員への強権的な処分
・国土交通省によるヒアリング・ビッグモーター店舗工場への立ち入り検査
・下請け会社への値下げ要求・車検強要
・社員からの残業代未払い及びパワハラ訴訟
・消費者庁による公益通報者保護法・内部通報体制の調査
・環境整備点検による街路樹への除草剤散布・伐採など
自動車を売却した顧客にあとから書類の不備などの口実で返金を迫る手口、下請け会社への車検強要、残業代未払い・パワハラ、加えて、環境整備点検での不備を理由とした不適切な叱責・降格人事など、内容を読んでも信じられないことばかり。とは言ったものの、私も職場でパワハラと残業代未払いはさんざん目にしていたので信じられないことではない。
このような問題を起こしたビッグモーターに株主優待はあったのだろうか。もしビッグモーターが株主優待を実施している会社だったとしても、現在の不祥事をノーダメージで乗り越えられる可能性は高いとは言えず、株主優待を継続するのは難しいと思う。
調べてみたところ、ビッグモーターは非上場企業だった。株式会社なので株式はもちろん存在するけれど、証券取引所には上場していない。証券取引所でビッグモーターの株式を取引すことはできず、当然、株式優待も実施していない。Wikipediaの記事によると2023年7月時点では全ての株式を資産管理会社である株式会社ビッグアセットが保有しているとのこと。そのため、ビッグモーターの株を持っていて今回の不祥事で損した投資家は基本的にはいないはずで、その点だけは良かったと思う。もしビッグモーターが上場企業だった場合、今回の不祥事により株が大暴落して多くの投資家が大損した可能性があった。
ちなみに大企業でも非上場企業はいくつもある。株式を上場しない場合のメリットとしては主に以下のようなものがある。
・上場のためのコストがかからないこと。
・経営の自由度が高いこと。
・買収のリスクが低いこと。
・有価証券報告書の提出義務がないこと。
なお、ビッグモーターの多くの店舗で「環境整備点検」対策として道路の植え込みにまで除草剤を散布していた。散布していた除草剤はフマキラーの「カダン除草王シリーズ ザッソージエース」だと言われており、「街路樹さえ枯れるほど強力な除草剤」として認知され売り切れが続出しているという。フマキラーの株価は7月に年初来高値を更新したとのこと。フマキラーは一連の不祥事の思わぬ影響を受けたことになる。ちなみにカダン除草王シリーズ ザッソージエースはグリホサート系の除草剤。グリホサートは植物の葉や茎から吸収されて効果を発揮する。植物の根からは吸収されない。もし雑草の除草だけが目的でグリホサート系の除草剤を雑草の葉や茎に薬剤をふりかけたとしても、街路樹には影響がない。にも関わらず、全国のビッグモーター付近の植え込みや街路樹がことごとく枯れている。つまり雑草のみならず街路樹も枯らす目的で、街路樹の葉にも除草剤がかかるように散布された可能性もありそうだ。そうだとすれば悪質極まりない話だ。
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