予告状のとおりにアルファベット順に町が選ばれ、その町と同じイニシャルを持つ人物が殺されていく。死体のそばには「ABC鉄道案内」が置かれていた。ABC鉄道案内は駅名をアルファベット順に並べた時刻表である。従来の時刻表は駅を路線別に並べていた。駅をアルファベット順に並べた本書は、路線という「意味」を無視して駅名だけで検索できる画期的な時刻表であった。
つまり、「ABC鉄道案内」が置かれていることは殺人が無作為に、アルファベット順に行われていることを象徴的に示すものだ。
しかし、それに疑問を感じたのはかの名探偵エルキュール・ポアロであった。犯人が完全に無作為に殺人を行っているわけではないはずだという推理である。
『ABC殺人事件』はミステリの女王アガサ・クリスティの18作目。ポアロシリーズとしては11作めである。
忙しかったが、やはり先が気になってしまい一気に読んだ。
おすすめ度★★★☆☆
2020年9月20日読了