宮路秀作『経済は地理から学べ!』が良かったのでこちらも買った。世界史の本を何冊も読んでいる私には既知の話題が多い本だったがそれなりには楽しく読めた。
10年分の国家予算が1週間で消えたニューヨーク、ウォール街の株式市場では、同年9月※をピークとして株価は徐々に下がり始め、10月24日の「暗黒の木曜日」に大暴落が始まります。株価は7分の1に下落、暴落から1週間で株式市場は300億ドルの損失を出しました。これは当時のアメリカ連邦政府の10年分の国家予算に匹敵します。
※1929年のこと
世界恐慌のきっかけとなった株価の大暴落だが、「当時のアメリカ連邦政府の10年分の国家予算に匹敵します」これほどまでに大暴落が起きていたとは興味深い。この頃は政府か不況を防ぐための措置をとるということがあまりなかったこともあり、経済の悪化はどこまでも進んだ。現在では各種の措置がすぐに実施されるため、このような大暴落が発生することはまずない。それでもいざというときに慌てない準備は必要だと思う。
本書全体を読んでみると、『経済は地理から学べ!』と比較して、内容が少し表面的・網羅的な感じで物足りなかった。もう少し個々の話題について詳しく触れても良かったのではないか。
おすすめ度★★☆☆☆
2020年7月読了