ヨーロッパ文明のゆりかご とも言われる古代ギリシャ。その歴史を6つの時代にわけて簡単に説明する。
- 1. ミケーネ文明(紀元前1600年頃 - 紀元前1100年頃)
- 2. 暗黒時代(紀元前1100年頃 - 紀元前800年頃)
- 3. アルカイック時代(紀元前800年頃 - 紀元前480年頃)
- 4. 古典期(紀元前480年頃 - 紀元前323年)
- 5. ヘレニズム時代(紀元前323年 - 紀元前31年)
- 6. ローマによる征服(紀元前146年)
1. ミケーネ文明(紀元前1600年頃 - 紀元前1100年頃)
ミケーネ文明は、ギリシャ本土の青銅器時代の文明で、強力な王権と壮大な宮殿、墳墓が特徴である。この時代の代表的な遺跡には、ミケーネ、ティリンス、ピュロスなどがある。ミケーネ文明は、線文字Bを使用し、複雑な宮廷経済を持っていた。また、トロイア戦争の伝説はこの時代に起源を持つとされ、ホメロスの叙事詩『イリアス』『オデュッセイア』に影響を与えた。紀元前1200年頃の大規模な破壊とともに、この文明は衰退し始め、紀元前1100年頃には暗黒時代へと移行する。
2. 暗黒時代(紀元前1100年頃 - 紀元前800年頃)
ミケーネ文明の崩壊後、ギリシャは人口減少、文化的衰退を経験した。この時代は、記録がほとんど残っておらず、詳細は不明な点が多い。しかし、この時代の終わりには、ギリシャ文字(フェニキア文字から派生)が発展し、後のアルカイック時代の基盤が形成された。また、この時代には、小規模な集落が点在し、生活は主に農耕と牧畜に依存していた。
3. アルカイック時代(紀元前800年頃 - 紀元前480年頃)
アルカイック時代は、ギリシャ文明の再興期とされ、政治、経済、文化が活発になった。この時代には、ポリス(都市国家)が形成され、それぞれが独自の政治体制を持った。アテネでは民主政の基礎が築かれ、スパルタでは軍事的な厳格な社会が形成された。また、オリンピック競技が始まり、神話や叙事詩が成立した。芸術では、彫刻や陶器が発展し、特徴的な幾何学様式の美術が見られた。
4. 古典期(紀元前480年頃 - 紀元前323年)
古典期は、ギリシャ文明の最盛期とされ、アテネの黄金時代とも呼ばれる。ペルシア戦争に勝利した後、アテネはデロス同盟を率いてエーゲ海の覇者となった。この時代には、民主政が発展し、哲学、科学、芸術、劇場が大きく進歩した。ソクラテス、プラトン、アリストテレスなどの哲学者が活動し、パルテノン神殿などの建築物が建設された。しかし、ペロポネソス戦争の結果、アテネは衰退し、最終的にマケドニアのフィリッポス2世によってギリシャは統一された。
5. ヘレニズム時代(紀元前323年 - 紀元前31年)
アレクサンドロス大王の東方遠征により、ギリシャ文化は東方に広がり、ヘレニスティック文化が花開いた。アレクサンドロスの死後、帝国は幾つかのヘレニスティック王国に分裂し、エジプトのプトレマイオス朝、セレウコス朝シリアなどが成立した。この時代は、科学、哲学、芸術、文学が引き続き発展し、アレクサンドリアの図書館が知識の中心となった。しかし、ローマの台頭により、徐々にギリシャ世界はローマの支配下に入った。
6. ローマによる征服(紀元前146年)
コリントスの戦いでギリシャはローマに征服され、以降ローマ帝国の一部となった。ローマ支配下でギリシャ文化は保護され、ローマ文化にも大きな影響を与えた。しかし、政治的にはギリシャの自立は失われ、ローマ帝国の一地域としての歴史が始まった。
これらの時代を通じて、古代ギリシャは政治、哲学、科学、芸術など様々な分野で顕著な成果を上げ、西洋文明に大きな影響を与えた。ギリシャ神話や哲学者の教え、政治制度など、その遺産は今日まで多くの文化や学問に影響を与え続けている。ギリシャの歴史は、その後のヨーロッパ文化における哲学的思考、政治理論、科学的探究、芸術的表現の基礎を築いたと言えるだろう。また、民主政治の概念や劇場、オリンピックなどの文化的遺産は、現代社会にも引き継がれている。
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