山形県といえば皆さんは何を思い浮かべるだろう。やはり最上川が有名だろうか。蔵王もある。歴史に詳しい方なら『南洲翁遺訓』という方もいるかも知れない。食べ物でいえば蕎麦。芋煮会も聞いたことがあるかも。
実は山形県は知る人ぞ知るラーメン王国である。「都道府県別統計とランキングで見る県民性」の「都道府県別ラーメン店舗数」によると、人口10万人あたりのラーメン店舗数が全国平均で19.22軒なのに対して、山形県は57.92軒と常軌を逸した店舗数である!2位の新潟県ももちろん多いが、10万人あたりで37.73軒と人口あたりの店舗数は山形県と比較するとずっと少ないことになる。あと、西日本では博多ラーメンを有する福岡県がなんといってもラーメンの本場だと思うが、こちらは10万人あたり18.72軒。全国平均より少なく、順位は全国29位である。
写真はイメージです
そんなラーメン王国山形県でかなりの人気を誇るラーメン店がこの山形赤湯ラーメン龍上海である。
龍上海の創業当時、ラーメンは今ほど売れる食べ物ではなく、売れ残ることもしばしばであったという。余ったスープは味噌汁にして家族で消費していた。その味噌汁に息子が麺を入れて食べることを思いついた。改良を重ねラーメンとして完成させたのが現在の「赤湯辛味噌ラーメン」だそうだ。なお、「赤湯」とはこのラーメンの色のことを指しているのかと思っていたが「赤湯」は龍上海発祥の地である赤湯村の地名であった。現在、赤湯村は赤湯町を経て市町村合併により南陽市(人口約29800人)となっている。
龍上海のラーメンは何年か前に山形県出身の方から教えてもらった。それ以来ずっと食べたいと思っていた。カップ麺はコンビニでコラボ商品として販売されていたことがあり、それは食べたことがある。しかしさすがにカップ麺では本物の味は再現できていないだろう。かと言って山形までラーメンを食べに行くのは難しい。
そんな中、これまた別の山形県出身の方が龍上海のラーメンを取り寄せてくれた。それがこちらである。
龍上海のラーメンが届いた。3食入り。
作り方自体は生麺タイプのものとしては標準的なもの。気軽に作れるだろう。
麺、スープ、辛味噌がそれぞれ3食分ずつ入っている。
かなり太めのちぢれ麺。色は少し黄色がかった白。
この太さと弾力性。美味しくないわけがない。
せっかくの龍上海である。ここはまずチャーシューを用意しよう。
豚バラ肉の塊をフライパンでよく焼き焦げ目をつける。
焼いた豚バラ肉を鍋に入れ、醤油と水を1:1の比率で浸るくらいに入れる。アルミホイルを落し蓋にして2時間くらい弱火で煮込む。
粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。チャーシューが完成したらようやくラーメンに取りかかる。
やかんで沸かした湯でスープを温める。液体スープが添付されたラーメンなら、どんなラーメンでも袋から出す前にこうやってスープを温めておくのが良いだろう。丼も温めることでスープがさらに冷めにくくなる。
たっぷりの湯で4分半程度茹でる。時々軽く混ぜる。混ぜすぎず、かと言って放置せず。吹きこぼれに注意。麺を茹で終わる直前にやかんで沸かした湯300~350mlでスープを溶かしておく。ネギやチャーシューなども切って用意しておこう。
麺を丼に入れる。先ほど用意したチャーシューなど好みの具材を載せて完成。実店舗の龍上海の写真には青のりらしきものが載っていたので自宅にあった青のりを少し散らした。
弾力性が強くとても太い麺。しっかりとコクもあり元々味噌の風味が強いスープ。
この赤い辛味噌を溶かしつつ食べる。想像していたよりは相当辛い。
辛味噌をスープに最初から溶かしていないのは辛味が苦手な客のことを考えてのことだという。嬉しい心遣い。辛いものが好きな方にも食べている途中で味を変える楽しみがあって良い。
龍上海の辛味噌ラーメンは取り寄せでもかなりの美味しさであった。スープ自体にコクがある。麺が太くモチモチでスープが良く絡む。なんと言ってもその最大の特徴である辛味噌の辛さ。ラーメン王国山形でも人気というだけのことはある。山形はけっこう遠いけれど、いずれ食べに行ってみたい。