ギラも火の玉で敵を攻撃する呪文らしい。ただし、雷や閃光で攻撃する呪文であるという説もあり、どの説明が正しいのかは判然としない。ちょうどスライムの群れが現れたので唱えてみた。炎がほとばしり、スライムのグループ全体を包んだ。そしてスライムは全滅した。これはすごい。ギラは敵の1グループにまとめて攻撃ができる呪文だったのだ。これならアルミラージや魔法使いのような手強い魔物にも対抗できるだろう。MPをそれなりに消費するので乱発はできないが、それでも相当心強い。
ギラも覚えたし、レベルも15になった。そろそろ冒険の範囲を広げても良さそうだ。そうだ。何度も近くを通りながらも一度も訪れていないレーベに行ってみよう。
レーベの村に足を踏み入れると、どこからともなくのどかな音楽が聞こえてくる。アリアハンの町は城下町だからけっこう栄えていた。レーベは城下町と比べるとだいぶのんびりした町。旅の疲れが少し癒される気がした。
道具屋で今まで見たことのない聖水というものを見つけた。主人にたずねてみると、これを体にふりかけると、一定の歩数の間は弱い敵が出なくなるという。スムーズに旅を進めたいときはすごく便利だそうだ。たしかに道を急いでいるときや経験を積みたいときに今さらスライムやおおがらすの相手はしたくない。聖水を何本か手に取った。
武器と防具の店にはくさりがまが売っていた。欲しかったがよく考えることにしようと思い買わなかった。その代わり皮の帽子を1つ買った。少しだけ防御力が上がった気がした。
買い物を済ませるとレーベの宿屋に泊まった。アリアハン以外の場所に泊まるのは初めてだった。もっとも、旅の途中で何度も野宿はしている。慣れたとはいえ今でも野宿は暑さや寒さがつらい時がある。それに魔物がいることを考えると気が抜けない。だから安心して眠れる宿屋の快適さに驚いた。朝までよく眠れた。
朝までぐっすり寝て疲れが取れた。そのまま岬の洞窟に向かった。聖水をふりかけたので魔物が誰も寄ってこなかった。すごくスムーズに西の岬まで行くことができた。
初めての洞窟探検だ。ところどころにろうそくが灯してあるので中は意外と明るい。それでも不気味な雰囲気が漂っている。
ときどき魔物が襲ってくる。暗闇から急に現れるので不気味ではあるが、いずれも今となってはかんたんに退治できる魔物ばかりだった。ちなみに聖水といえども洞窟や建物の中では効果がないので、どの魔物も私を避けてはくれない。
洞窟の中を慎重に進み、地下1階に行った。ここはもうナジミの塔の地下みたいだ。そこで北に向かい階段を登った。地上に出ると、見たことがある景色。そうだ、あのレーベの南の森の草地。あの階段に通じていたのだ。せっかくだからレーベの村に立ち寄って宿屋に泊まった。
翌日、草地からナジミの塔の地下に向かった。今度は東側の階段を登る。するとどこかの建物の中に出た。ただ、カギがかかった扉があって、これ以上進めなかったので引き返した。
中央の階段を登ると、本命のナジミの塔に入れた。部屋がたくさんあって周るのに苦労したが、中央左の階段を降りるとなんとそこは旅人の宿屋。こんな場所で宿屋を営むなんて。たまには冒険者が訪れるのだろうか。
こちらからしたらありがたい。しかも宿泊代はたったの2ゴールド。これはアリアハンの町やレーベの村と同額。この立地でこの金額とはうれしい限りだ。場合によってはここを拠点にして魔物退治をしても良さそうだ。せっかくだから一晩泊めてもらった。
翌日も朝から探検を開始。予想外の場所で2回も宿屋に宿泊できたので体力も気力も十分だ。
やっと最上階に着いた。ここの部屋には老人がいた。間違いない。この老人がとうぞくのカギを持っているはず。はやる気持ちを抑えながら話しかけると、老人がとうぞくのカギをくれた。やっとカギが手に入った。このカギがあればあちこちの扉を開けられるようになる。探検できる範囲がさらに広がるのだ。老人の部屋の扉にちょうどカギがかかっていたので試してみた。ちゃんと扉が開いた。
帰りにもう一度ここの宿屋に泊まった。
翌日は塔を降りて地下通路に行った。そして階段を登り、前回は開けられなかった扉を開けた。
すると、驚くべきことにその通路はアリアハン城の牢屋につながっていた。
つまり、地下通路を介して、アリアハン城とナジミの塔、岬の洞窟、レーベの草地はつながっていたのだ。いったい誰が何のために作ったのかわからないが壮大だ。その昔、一部の人々はこの通路を通ってアリアハン大陸内の要所を移動していたのかも知れない。
手に入れたばかりのとうぞくのカギを使ってアリアハン城の赤い扉を開けてみた。すると1階の北西の部屋にいる学者がレーベの村に魔法の玉を研究していた老人がいるいう。魔法の玉とは何だろう。次に南東の部屋に行くと、おじいさんが「魔法の玉とは爆薬のようなものでカベをこわしたりするのに使える」と、大きなヒントをくれた。
そもそもどうしてアリアハン大陸東の旅の扉は封印されているのだろう。世界を治めていたアリアハンが戦争で支配権を失ったころ、防衛のために鎖国政策をとったのだろうか。
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