ホビットのノルドに話しかけると、以前と同じで「わしはホビットのノルド。だんなはなんだね?さっ出てゆきなされ!」とつれない返事。しかし、ポルトガの王様からもらった手紙を見せる。手紙にはこう書かれていた。「しんあいなるノルドよ。この手紙をもつ旅びとをバーンのぬけ道へあんないしてやってくれ。」と。するとノルドは急に急に親しげになった。「ふむ!するとだんなは東へいきたいのかね?」「はい」と答えると、ついてくるように言われた。そして、洞窟を少し戻ったところで、「ふむ!そこでまっていなされ。」そして、ノルドは壁に何度もぶつかる。何か隠された扉かなにかを開けようとしているようだ。しばらくすると、壁に入口が現れた。「さお通りなされ!これがバーンの抜け道への入り口じゃ。」
私はノルドに何度もお礼を良い、その入口に向かった。
抜け道はかなり狭いが、ちゃんと明かりが灯されていて不自由はない。そして魔物もいないし一本道だ。
だいぶ歩くとだんだんと明るくなってきた。そして階段を登ると外に出た。後ろには岩山が見える。太陽の位置で方角を確認していた。すると、さっきまで東に見えていた岩山が今度は西に見えるようになっていることがわかった。ということは岩山を東に越えたということだ。つまりここは東方の地。ここからは今までにも増して強力な魔物が出没するだろう。気を引き締めるしかない。
北に行くべきか南に行くべきか迷ったが、このあたりはそもそも高緯度のあたりだ。つまり北のほうが狭い。ということでまずは北に向かった。しばらくすると岬に突き当たった。もの悲しい雰囲気が漂っているはなぜだろう。
そして岬のすぐそばに小さな建物を見つけた。中に入ると宿屋になっていて、奥には厳重に施錠された部屋があって旅の扉が見えていた。こんなさみしい場所にも旅人は訪れるのだろうか。場所に不釣り合いな広さの宿屋を見てそう思った。せっかくなので今日はここに泊まることにした。
翌朝は南を探検することにした。このあたりは山が非常に深く、雨が多いのか森林が生い茂っている。魔物も強いだけではなくとても数が多い。まだなんとかなってはいるが、なかなか体力をすり減らす旅。ヒートギズモの炎もなかなかやっかいで疲れがどんどんたまってくる。
そんな思いをしながら何日も歩いてやっと遠くに町を見つけた。
この町はバハラタ。町に入ってすぐの武器と防具の店の主人に話を聞いた。なんでも胡椒はこの店のすぐ南の店で売っているという。なんだ、胡椒は意外と簡単に手に入るんだ。さすが東方である。もちろん、ポルトガからここまでの旅は決して楽とは言えないものだったので誰でも簡単に胡椒を手に入れることができるというわけではない。話を聞いたあと、鋼鉄のよろいと魔法の盾を買った。
胡椒を売っている店を教えてくれたお礼も兼ねてである。もちろん、この付近の魔物と渡り合うにはこれくらいの装備が必要だろうというのもある。装備を整えた後、南の店に向かった。
胡椒を扱っているという店に入る。胡椒を買おうとカウンターに向かったけれど店主らしき人がいない。先客に聞いてみると、この店主は娘をさらわれてしまい商売をしていないという。
なんということだろう。しばらく店で待っていたが、らちが開かないのでいったん店を出てバハラタの町を散策する。
町の中心に神聖な川ガンジス川が流れており非常に美しい。川のほとりには川の水で身を清めている人々がいた。身を清めている男性の一人によると、この川の水は飲み水になるだけではなく、魔よけの力も持っているという。
ガンジス川のそばにいる老人にも話を聞いた。すると、老人の孫娘のタニアが悪党にさらわれてしまったという。どうやらこの老人が胡椒の店の店主らしい。そして隣の男性がタニアの恋人グプタだと紹介してくれた。
この老人はタニアとグプタを結婚させ、店をまかせようと思っていたようだ。そして老人がタニアを助けてほしいと言いかけたそのとき、急にグプタが「ぼくがいきます!見ず知らずの旅のひとにたのむなんて…」「まっててください。きっとタニアを助け出してきます。」言い終わるとすぐにグプタは走って行ってしまった。老人がグプタの名を呼んだが、もちろん引き返してくるわけもない。気の毒な老人の元からはタニアもグプタもいなくなってしまったのだ。こうなったらなんとしても二人を助けなければならない。手がかりを探すためバハラタの町をくまなく歩き話を聞く。
あちこちで話を聞いてとうとう手がかりを見つけた。南東の民家の主人によると、橋の向こうの洞窟に人さらいたちが住んでいるという。きっとその人さらいがタニアをさらったに違いにない。急いで洞窟に向かうことにしよう。
バハラタのモデルはインドのヴァーラーナシーで間違いないだろう。ここはガンジス川沿いの町でヒンドゥー教のインド最大の聖地である。地図上の位置もドラゴンクエストIIIの世界と現実とで非常に近い。そしてガンジス川のほとりに階段状の沐浴場が作られているところも忠実である。ただし現実のヴァーラーナシーは当然インド風の町並みであるのに対し、バハラタの町並みはまったく東方風ではない。バハラタ沐浴場の柱はギリシア風を思わせる様式になっている。なお、インドでギリシア風というとアレクサンダー大王がインドに侵入したことを思い出すが、さすがのアレクサンダー大王もヴァーラーナシーまでは到達していない。
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