福岡のラーメン店の中でも別格の知名度を誇る一蘭。「唐辛子入りラーメン発祥の店」、「日本初の会員制ラーメン店」、「味集中システム」などいくつもの特徴があるラーメン店である。
初めて行ったときは養鶏場を思わせるカウンターに不自然さを感じてしまったが、次第に慣れていった。
福岡に住んでいたときはさほど食べに行ってなかった。ところが、福岡を離れるとなぜかとても食べたくなる。それが一蘭のラーメン。一般的な久留米ラーメンはもちろん、博多ラーメン、長浜ラーメンとも違う味だが、豚骨、固麺、替え玉、などこの地域独特スタイルは踏襲している。福岡を代表するラーメン店であることは間違いないだろう。
福岡のラーメン店では、他に一風堂や暖暮などが多店舗展開している。味に関しては一蘭のほうが好みだ。
コンビニチェーンなどとコラボしてカップ麺を発売するラーメン店が多数ある中、一蘭は長い間カップ麺を販売しなかった。袋麺や棒状の麺もあるにはあったが、ほぼ自社店舗か通販での取り扱いであった。
そんな一蘭が2021年2月にとうとうカップ麺を販売した。セブンイレブンなど大手コンビニで取り扱う。全国の一蘭ファンが待ち望んでいたのだろうか。発売後数日で約40万食というおどろくべき売上を達成したそうだ。
上げ底弁当を探しに近所のセブンイレブンに行ったらたまたま見かけた。具材無しで約500円と、カップ麺とは思えない驚きの高価格。
それでも、もし美味しかったらすごく魅力的だ。実店舗は遠い上にラーメンがおよそ1000円くらいしてしまう。せっかくだから買ってみた。
パッケージの写真は実店舗のラーメンと見分けがつかないほどのクオリティ。
麺もちょうどよい固麺を再現してくれそうなノンフライ麺。
粉末スープと液体スープ、それに秘伝のタレが添付されている。
じっと待つこと4分。蓋を開け粉末スープと液体スープを入れて混ぜる。
混ぜ終わったら秘伝のタレを乗せる。
いざ実食。
写真でもおわかりのように、秘伝のタレが実店舗のものとは若干見た目が異なり、ザラザラ感が少ない。それでも秘伝のタレの辛さはちゃんと再現できている。もう少し改良していただければ言うことなしである。
麺はさすがに店舗のものとは違うが、ちゃんと歯ごたえもある。だからといって単に固いだけではない。カップ麺にしてこの再現度はすごいと思った。
スープの再現度も高い。もちろん、豚骨の匂いは店舗のものには負けるが、一蘭らしさは感じられる。
具材無しでこの値段はたしかに高い。しかし、乾燥ネギはこのラーメンに合わないと思ったし、チャーシューもよほど工夫しなければぜんぜん違うものになりそうだ。結局、現時点ではこの選択が正しいのかもしれない。
自分でネギを追加し、秘伝のタレに一味唐辛子を加えればさらに店のものに近づけるかもしれない。
コロナ渦でなかなかお店には行きづらい現状において、一蘭難民を十分救ってくれそうな一蘭カップ麺である。ときどき買うことになりそうだ。
[rakuten:selene-:10048311:detail]